読了

読了:FACT FULLNESS/ファクトフルネス - 事実確認の重要さと思い込みの習性

今月初めに書いたまま、放置してしまった・・・ 今月2度目のインド出張をしてきました。行くたびに自分の力の不足箇所が見いだされて良くも悪くも勉強になります。 件名のFACT FULNESSですが、実はずいぶん前に読み終えていました。 曰くデータの読み方を説いた本になります。 著者の経験談と人間の持ち合わせた予測から先を見誤る事を事例に10パターンのFACT FULLNESSを挙げています。 ・分断本能:先進国と途上国で二分されていると思い込んでいないか? ・ネガティブ本能:世界での貧困化は益々酷くなる一方だと思い込んでいないか? ・直線本能:世界の総人口は増える一方だと思い込んでいないか? ・恐怖本能:災害による死亡者数は増える一方だと思い込んでいないか? ・過大視本能:0歳児の死亡者数は420万人で途方もない数字(だが、半世紀前とくらべるとどうか?) ・パターン化本能:強く刷り込まれたパターンによって、全ての事例がそれに当てはまると思い込んでいないか? ・宿命本能:アフリカは永遠の途上国だと思い込んでいないか? ・単純化本能:絶滅危惧種は昔以上に生存数は減っていると思い込んでいないか? ・犯人捜し本能: ・焦り本能 書いてある内容自体、私の仕事が開発系なのでデータのグラフプロット予想をよくするので、若干のあるあるネタな感じはしました。 ただ人間が持ち合わせた「誤った予測≒思い込みからくる大きな誤り」は生きていくうえで理系職を問わず自分にも、周りにも当てはまる事例が多く 事実確認をせず、かってに思い込むことがあるなら、この本を手に取る または自分の本棚から取り出し読み返すことをお勧めします。 またこの内容を年が明けるまでに書きたかった理由は、 思い込みと事実のデータの見方を挙げた本書なのですが、 自分の中でタイムリーな気づきもあり、 本書で例として挙げられている新興国の成長です。 本書にも挙げられていますが、TVで見てきた新興国の貧しさなんかは、その国に行くと意外とそれほど遅れた国ではなかったりします。 中国も2013年と今を比べれば、加速度的に進歩しており 携帯や電子決済の面で見れば、日本は中国に大きく遅れてすらいます。 (現金の信用とカードの信用/インフラ普及が難しかった結果だけだったりもしますが) またインドも皆がスマホを持ち、LCCでインド国内を転々とすることもでき、 手で食べているインドカレーもスマホがべたべたになるから、ちょっと変わってきていたりもします。 自分の国の経済発展が、遅れて新興国も同じ年数遅れて発展するとは思いこまないほうが良いと思います。 日本賛歌なバラエティーも多くみられますが、自国の良さを認識することを軽視する事は全く否定しません。が、そんな日本も世界の一つであり、いつまでも過去の発展から恵を享受できるなんて思っているのであれば・・・その先どうなるかは個人の生き方次第かと。 また自分の所属する会社は古い会社なのですが、問題が起これば過去の事例を引き出し、それにあてはめ、単純化≒過去パッケージに落とし込む悪習がみられます。 本当は過去に例のない事例が起こっているとは考えず・・・ この正月休みに本書を手にとって、思い込みと新興国と自分の環境を照らし合わせてみれば、新たな視点を得られると思いますので、ぜひ手に取ってみてください。 株式売買にも使えるかもです。