ラントリボードを探し求めてたどり着いたのが、GRAYのSONICAL MACH LT(ソニカル マッハ LT)。

GRAYと言えばカービング特化のメーカー、というイメージが強いと思うんですけど・・・
そのGRAYが「カービングとトリックの両立」に振ってきた板です。

今回も身銭を切って購入してみたので、乗った感想を書いていきます!
(サイズは152W、新品で85,000円でした)

最初に大事な事を言います。
この板、SPECの有効エッジの数字だけ見て判断すると損します。

 

この板がお勧めな方:

  • これから初めてラントリボードを買う人
  • ラントリだけじゃなく、山全体をフリーランで遊びたい人
  • ジブやキッカーもちょっと入れたい人
  • WRXやSPREADのRDと迷っている人
  • 値段とクオリティのバランスで選びたい人

SONICAL MACH LTってどんな板?

GRAYのMACHシリーズから派生したモデルです。
MACHはGRAYの中でも「走りながらトリックを入れる」寄りのライン。

その中でLTは、柔らかさと軽さに振って、ラントリに振った一本。
昨今のラントリ(ある程度のスピードで走りながらトリックを入れるやつ)に、真正面から寄せてきた感じです。

サイズは 146 / 151 / 152W / 154 / 155W / 156EW / 160W / 161EW。
長さでツインとディレクショナルに分かれます。
自分の152Wはフルツインでセットバック0。

乗ってみた感想

柔らかい。ちゃんとしなる

第一印象は「あれ、GRAYってこんなに柔らかかったっけ?」でした。

プレスもオーリーもしっかりしなる。
カービング特化のメーカーからは想像できないくらい、しっかりたわませられます。

硬い板でラントリやろうとして、プレスが全然入らない・・・という人には刺さると思います。

フリーランも普通に楽しい

ツインのモデルはフリーランもしやすいです。
山全体を遊んだり、ジブ、キッカーも普通に遊べます。

1本で1日回せる板、という感じ。

SPECの有効エッジは一番短い。でも一番食いつく

SPEC上の有効エッジ、そんなに長くないんですよ。
152Wで1180mm。

同じくらいの長さのWRX Mk-S(152)が1210mm、BC StreamのBRAH(151)が1200mmなので、数字だけ見ると一番短い。

板 全長 有効エッジ ウエスト サイドカット セットバック
GRAY SONICAL MACH LT 152W 152 1180mm 256mm 8.4-8.0-8.4m 0
WRX Mk-S 152 152 1210mm 249mm 8.9m 10mm
BC Stream BRAH 151 151 1200mm 254mm 8.8-8.5-8.2-8.5-8.6m 0

※カタログ値。年式で多少変わります

でも実際に滑ってると、数字より明らかに食いつく。

理由はサイドウォールスラントです。

サイドウォールスラントって何?

板を真上から見た時、側面の壁って垂直じゃなくて少し寝てるんですよ。
台形みたいになってる。
この傾斜角がスラント。

で、ここが大事なんですけど。

板の真ん中あたりは壁が寝てるのに、ノーズとテールの有効エッジの端~キックへ向かう部分は、プレス成型の都合でほぼ直角に立ってます。

壁が立ってると何が困るか。
エッジを立てて食い込ませようとした時に、その壁が雪面に平たくぶつかって抵抗になる。

ICETUNEのいぐっちゃんさんは、これを「ナイフじゃなくて割り箸で雪を押してる状態」と言ってました。
言い得て妙です・・・

逆にここを斜めに寝かせてやると、壁の邪魔が消えてエッジが鋭い刃物になる。
雪に抵抗なくスッと吸い込まれるように刺さります。

浅い時は短く、深く倒した時だけ伸びる

面白いのがここ。

フラット~浅い角付けの時は、キック付近の先端は浮いてて雪に触ってません。
だから元の短い有効エッジのまま、軽く回せるしずらせる。

でも深く板を倒すと、荷重と遠心力で板が雪に沈み込む。
普通なら垂直な壁が引っかかってグリップしないゾーンが、ここで初めて食い込み始めます。

有効エッジが長い板って、カービングでブレない代わりに取り回しが重い、というトレードオフがあるじゃないですか。

それを「深く立てた時だけ長くなる」で両取りしてる訳です。

いぐっちゃんさんは体感で3~4cm伸びる、ハンマーヘッドに乗ってるような感覚、と表現してました。
(これはチューンで加工した板での話なので、数字をそのままこの板に当てはめるのは違いますけど)

ノーズテールのバタつきが消える

カービングのピークとか、ターン後半で強く踏ん張った時。
ノーズやテールの先端がバタバタ暴れる事、ありますよね。

自分はずっと「板が柔らかいからだ」と思ってました。
違いました。

エッジの端が「噛む」と「抜ける」を高速で繰り返してるのが大きな原因だそうです。

端まで綺麗に刺さり続けてくれれば、噛みっぱなしの安定した状態が維持される。
だから極限まで板を立ててもバタつかない。

SONICAL MACH LTは、これをチューンで後から削るんじゃなく、最初からノーズとテールにテーパーとして入れてあります。

だからSPECの1180mmより長く感じる。
乗ってみて納得しました。

サイドウォールの仕組み自体は、ICETUNEのカービングスペシャルのチューン動画が一番分かりやすいです。

苦手な所

正直に書きます。
この板、何かに特化させると全部負けます。

ガッツリ高速カービングならハンマーヘッドに負ける。
グラトリやトリック重視ならグラトリ板に負ける。
パークのジブも、専用のツインの方が扱いやすいです。

あと未圧雪とパウダー。
柔らかくて有効エッジも短めなので、深い雪では浮きにくいし、荒れたバーンでは板が負けます。
パウダー用は別に1本持っておいた方がいいかもです。

じゃあ何がいいのか。

全部を1本で満足させようとすると、これになります。
逆に、やりたい事が1つに決まってる人は専用板の方が強いです。

他のラントリボードと比べて

過去にWRX、BC StreamのBRAH、SpreadのRDシリーズも試乗してます。

SONICAL MACH LT WRX Mk-S BRAH SPREAD RD
柔らかさ 柔らかい やや硬め 中間 中間
プレスのしなり ◎ ○ ○ ○
有効エッジの実感 SPECより長い SPEC通り SPEC通り SPEC通り
フリーラン ○ ○ ○ ○
未圧雪 × △ △ △
定価(税込) 86,900円 132,000円 123,200円 96,800円(26-27)

※SPREAD RDのみ26-27の定価です(25-26の定価が確認できず)

定価86,900円。
WRXの132,000円と比べると4万5000円くらい安い。

この値段でこのクオリティは十分すぎる。
WRXもSPREADのRDも良い板ですけど、最初の1本でこの差額は大きいです。

自分はWRXを持っていたので手放しましたが、これから初めてラントリボードを買う人には、現状一番お勧めの板です。

スペック(カタログ値)

サイズ 有効エッジ ウエスト サイドカット シェイプ
152W(自分の) 1180mm 256mm 8.4-8.0-8.4m フルツイン、セットバック0
154 1220mm 250mm 8.7-8.3-9.0m ディレクショナル寄り
  • キャンバー: バリオキャンバー
  • 芯材: ポプラ+バンブー
  • 定価: 86,900円(税込・146/151/152W)
26-27 GRAY SONICALMACH LT グレイ ソニカルマッハ ライト ボード カービング スノーボード 板 2026-2027
created by Rinker

メーカー公式のスタンス幅とセットバック

  • サイズ: 152W(52w)
  • スタンス幅: 480-600mm(インサートで取れる範囲)
  • セットバック: 0

出典: GRAY公式 製品ページのスペック画像 2026-27モデル
GRAYは「スタンス幅やセットバックの推奨値は決めていない」としています。

まとめ

向いてる人

  • 初めてのラントリボードを探している
  • 柔らかい板でプレスやオーリーをしっかり入れたい
  • 1本で山全体を遊びたい

向いてない人

  • 未圧雪やパウダーメインの人
  • 硬い板でガッツリ高速カービングしたい人(それは本家のGRAYを)
  • グラトリやジブに全振りしたい人(専用板の方が強いです)

SPECの有効エッジの長さだけで判断できない板なので、悩んでいる人は是非参考に。

WRX、BRAH、RDと乗り比べて、初めて買うラントリボードとしては今の所これが一番かもです!